尾道造酢は、醸造酢に加え、昭和29年より西洋酢の開発にも着手し、キユーピーマヨネーズの原料酢として採用されるなど、ドレッシングの原料酢も製造しています。一般家庭用向けには、醸造酢をはじめ、ぽん酢、醤油他いろいろな種類の調味料をお届けし広く愛用されています。また一流の料亭やレストランの調理師からも尾道酢が重宝され、業務用として活躍しています。
尾道造酢は、歴史と伝統、豊かな自然に守られながら、原料の吟味、独自の発酵法、熟成など、その品質において更に厳しいこだわりの姿勢を貫き続けています。
穏和な気候となだらかな傾斜地形、そして良質の水が、酢の原料となる農作物を豊かに育みます。この自然環境の恵みをたっぷりと受け「尾道造酢」のおいしい酢が生まれてくるのです。
伝承によれば、秀吉が朝鮮から堺に招いた酢造りの職人が、尾道商人を介して尾道の地で醸造酢作りを始めたそうです。原料には秋田米が使われ北前船で海産物と共に尾道に運ばれてきました。
文化年間(1804~1817)には、当時もっとも資本の大きかった灰屋治郎右衛門が、広島芸州藩の御用酢座に任命されるなど、藩の保護を受けながら、酢の販売量を拡大。
さらに大正7年にはその流れをひく橋本太吉が、同業5社と「尾道造酢」を設立、近隣諸国へも販売網を広げ、生産量が飛躍していきました。
昭和29年より西洋酢の開発に着手し、キユーピーマヨネーズの原料用食酢として採用されるとともに、様々な種類のドレッシングの原料も製造し現在に至っています。
かくして「尾道造酢」の清酢は、穏和な瀬戸内の自然環境と良質の水に育まれながら、400年以上もの伝統と歴史を刻み、私たちの食文化に深く根付いています。
※1582年は本能寺の変があった年です